痛くない虫歯治療

痛くない虫歯の治療法とは?

あなたのご希望やお悩みに応じて、相談しながら治療方法を考え、ご納得いただける治療を致します。また当院では、なるべく痛くない治療を心がけています。虫歯治療は必要に応じ、局所麻酔をしますので、治療は無痛です。しかし、麻酔の針を刺す時が痛いとおっしゃる方もいます。当院では、麻酔の針を刺す前に表面麻酔を塗ります。これにより、無痛麻酔が出来ますのでご安心下さい。

虫歯の治療後は痛みませんか?

現代の虫歯治療というのは、虫歯の部分を削り取り、そこに削った歯の代わりに人工物を詰めるという事なのですが、削るという事は、「体の一部をそぎ取る」わけですから、当然損傷しています。しかし、その瞬間は麻酔により痛みを感じないわけです。それが「無痛治療」といわれる所以ですが、まれに麻酔が切れた後に多少の痛みを感じる事はあります。しかし、例え抜歯をした様な大きな損傷の場合でも「痛みどめの飲み薬」を飲めば収まる程度の痛みです。
痛みが怖いからといって、歯科治療を躊躇している人がいるなら、その方がよっぽど体に悪い事だと考えて頂きたいです。

虫歯が出来る仕組みは?

食べ物を食べると、残りかすが歯にくっつきます。そのかすの中にある糖分を細菌が分解して歯垢を作ります。その歯垢が酸を作り出して歯を溶かしてしまいます。これが虫歯の始まり。
歯垢はプラークとも呼ばれ、食べ物の残りかすそのものではなく、口の中で増殖した細菌のことを指します。口の中に住む細菌の種類はとても多く、糊のようなもので歯の表面に付着して増殖を繰り返していきます。

また、飲食物を口にすると口の中が酸性になり、その度に歯のカルシウム分が少しずつ抜けていきます。通常は唾液の力でこの酸が中和されて、抜け出したカルシウム(とリン酸)が再び歯の中にしみこんで修復されます。これが再石灰化と呼ばれる現象です。

一日に何度も甘いものを食べたり飲んだりしていると、再石灰化のスピードが、抜けていくカルシウムの量に追いつくことができなくて、虫歯へと進行していきます。
虫歯は怪我や風邪などとは違って自然に治る事がなく、放っておくとどんどん進行してひどくなってしまいます。その為、虫歯になってしまったところは削って、詰め物やかぶせ物を入れる治療をする事になります。でも、なるべく自分の歯は削りたくはないですよね?
もうできてしまったむし歯は治療するしかありませんが、これ以上虫歯が悪くならない様に、そしてこれ以上虫歯の歯が増えてしまわない様に、お口の中の衛生管理をしっかりと行っていきましょう。

虫歯の進み方

学校の歯科検診などで、歯医者さんが歯を見ながら「C1」とか「C2」とか言っていたのを覚えていますか?
ご存知の方も多いと思いますが、あれはむし歯の進行具合のことです。 ちなみに「C」は「カリエス:caries」の略で、英語で「虫歯」の意味です。 専門的には、日本語でむし歯のことを「齲蝕(うしょく)」と言います。

まずは歯の構造をご説明します。皆さん、歯は硬い一塊ではなく3部構造から成っている事をご存知ですか?それぞれに性質、特徴があります。

  1. エナメル質:体のどの部分よりも硬くとても丈夫。歯の表面を覆っています。
  2. 象牙質:エナメル質の内側を言い、エナメル質程の丈夫さは無い。
  3. 歯髄:歯の神経で歯が痛むのはこの神経が刺激される事によって起こる。

虫歯は、程度によって4段階に分けられています。

【Co】脱灰(だっかい):要注意

【Co】脱灰(だっかい):要注意

症状:虫歯菌によってエナメル質部分のみ溶かされてしまった状態。(まれに水がしみる程度でほとんど無症状)

治療法:白い樹脂などで穴を塞ぐ

自覚症状は全くありませんが、歯医者さんに行けば見つけてもらえます。
この段階の虫歯の場合、歯を削らなくても、大抵は歯磨きやフッ素を利用することで治すことができます。

【C1】歯の表面(エナメル質)の虫歯

【C1】歯の表面(エナメル質)の虫歯

症状:虫歯菌によってエナメル質部分のみ溶かされてしまった状態。(まれに水がしみる程度でほとんど無症状)

治療法:白い樹脂などで穴を塞ぐ

歯の表面をおおっているエナメル質が溶けている状態です。黒い着色や白い斑点がありますが、自分で見つけるのは難しいです。痛みはあまり感じませんが、舌で触るとザラザラして、歯の表面が白くにごっています。虫歯になっている歯の表面を削って詰めるだけの治療になるので、麻酔をしなくても無痛で虫歯を治す事が出来ます。

【C2】歯の中(象牙質)の虫歯

【C2】歯の中(象牙質)の虫歯

症状:虫歯による脱灰が象牙質まで進行したもの(歯がしみたり、ときどき痛みが出ることもある)

治療法:樹脂で埋める or 一度型を取ってから、金属や樹脂などを歯に嵌め込む。

歯の中の象牙質まで進んでしまった虫歯です。噛むと痛かったり、冷たいものや甘いものが歯にしみるといった自覚症状が出てきます。痛みを伴う場合は麻酔を打ってから治療する事がありますが、この段階でも基本的に虫歯を削って詰めるだけなので、通院回数もそう多くなく治す事が出来ます。

【C3】神経まで達した虫歯

【C3】神経まで達した虫歯

症状:虫歯が進行して、歯髄(歯の神経)まで達したもの(お湯がしみたり、夜眠れないほどズキズキ強い痛みが出る)

治療法:一度型を取ってから、金属や樹脂などを歯に嵌め込む or 金属やセラミックなどを歯に被せる

歯の中の象牙質からさらに奥の神経(歯髄:しずい)近くまで進んでしまった虫歯です。冷たいものよりも熱いものがしみる様になります。炎症を起こして神経が圧迫される為、ズキズキ痛みます。神経を取る治療(根幹治療:こんかんちりょう)が必要になると、通院回数も多くなります。

【C4】歯の根まで進行した虫歯

【C4】歯の根まで進行した虫歯

症状:虫歯が進行し、歯の頭の部分(歯冠部)が崩壊して根だけ残った状態(痛みにならず比較的症状が落ち着いていることが多い)

治療法:抜歯する or 土台を作り被せる

※主な治療法は参考で、ケースバイケースとなります。

歯の頭の部分(歯冠部:しかんぶ)がなくなって、ボロボロの歯の根の部分(歯根:しこん)だけが残ります。神経(歯髄:しずい)が死んでしまっているので、痛みを感じる事はあまりありません。歯の根元に膿が溜まっていると、あごの骨に細菌が感染する場合もあります。最悪、歯を抜く事になりますが、歯の状況によっては抜かずに歯を残せる場合もあります。

それぞれの段階における治療方法は、虫歯の細かい進行状況と、治療する歯医者さんによって変わってきます。早い段階であれば、治療にかかる時間・お金・精神的な負担が軽くて済みます。あなた自身の大切な歯ですから、定期健診をして歯の健康を保ってくださいね。

虫歯になる条件

虫歯になる原因をいろいろ挙げることはできますが、そのうちの一つの原因によってむし歯になるというよりは、いくつもの条件が重なってむし歯になることがほとんどです。

虫歯のなりやすさ・なりにくさに関係していると言われるものをいくつか挙げてみます。

  • 唾液の分泌量
  • 唾液の酸を中和する能力
  • フッ素を利用しているかどうか
  • 歯の質
  • 歯の形
  • 歯並び
  • 全身疾患があるかどうか(特に口腔内乾燥症、口呼吸、糖尿病)
  • 喫煙しているかどうか
  • 口の中の清掃状態
  • プラークの蓄積量
  • 食事の内容
  • 食事の回数
  • 口の中の細菌の数と量

などなど。色々ありますね。
歯の研究や技術は日々進歩していますから、こうして書いている間にも新しい理論や方法が生まれているかもしれません。

虫歯のなりやすさ・なりにくさに関係していると言われるものを挙げてみると、大まかに、先天的な要素と後天的な要素に分けることができると思います。
先天的な要素にもともと恵まれている人はうらやましい限りですが、仮にそういった要素に恵まれていなくても、日常生活を改めることで、虫歯予防をすることが出来るのではないでしょうか。

虫歯になる条件をチェックしてみる事が、虫歯の予防に繋がります。
あなたも、自分の口の中や生活習慣をチェックしてみましょう!