骨が無いからインプラントはできないといわれた方へ

歯科医師に「あなたの顎の骨は痩せていて、インプラント治療は難しい」と言われた方、もっとはっきり「インプラントはできない」と宣告されてしまった方にも希望を持って頂きたいという想いからこのページを作りました。

「骨が足りないという宣告をされた人」は、実際に顎骨が少ないのだと思います。しかし、顎の骨が少ないからといって、即座にインプラント治療をあきらめる事はないのです。

骨が足りない人はインプラントができないのか?

確かに公益社団法人日本口腔インプラント学会の「口腔インプラント治療指針2016」には、骨が足りないことはインプラントのリスクファクターだと書いてあります。リスクとは「危険度」のことであって、わかりやすく言えば「成功させるのが難しい要因」ということです。ここを読み解くと決して「インプラントはできない」と言っていないことが分かります。

「口腔インプラント治療指針2016」の中の項目「Ⅳ総合評価とインプラント治療のリスクファクター」(p.8)に「局所的なリスク」として、喫煙と並んで、

  • 不良な骨質
  • 骨量不足

とあります。

「不良な骨質」とは骨の硬さが柔らかい状況をいい、「骨量不足」は骨の体積が少ない状況をいうのですが、これは「手術に対するリスクファクター」と言っているだけです。繰り返しますが「骨が少ない人はインプラント治療をやってはいけない」とは書いていないのです。

そして、このように続きます。「骨量の不足は骨移植などで対処すべきである」と、さらに骨質については「骨質を判定し、生体力学的なことも考慮して、インプラント体の数、サイズ、上部構造の設計を行う必要がある」と書いています。

日本口腔インプラント学会は「骨が少ない人は、しかるべき対策を取るべきだ」と言っているのです。

もしも、しかるべき対策を取らずして、患者にあきらめなさいと言う歯科医がいるなら、これは残念な事ですね。

次のインプラント手術の禁忌症をまとめた図を見て下さい。禁忌症とは、「治療を行うべきではない状態」のことです。絶対的禁忌症は、絶対に行うべきでない患者のこと、重度の糖尿病患者や精神病患者です。それに対し、「顎骨の質や量に問題がある人」は相対的禁忌症に当たります。

インプラント手術の禁忌症

絶対的禁忌症

  • 重篤な内科疾患、重篤な全身疾患の患者
  • 悪性腫瘍により高線量の放射能治療や化学療法を受けている患者
  • 精神障害のある患者

相対的禁忌症

  • 軽度な内科疾患、全身疾患の患者
  • インプラント埋入部位に局所の骨および歯肉の問題がある場合
  • 低線量の放射能治療を受けている患者
  • 麻薬、アルコール、タバコの多量常習者
  • 開口障害、咬合異常の患者
  • 口膣内環境が不潔な患者
  • 条件の不良な抜歯窩

相対的禁忌症とは「相対的に判断して、行うかどうか決めるべき」ということです。つまり、患者の努力や術者のスキルによって判断する項目になりますから、歯科医師の努力で多くの患者がインプラント手術を受けられる可能性があるわけです。

もちろん、未熟な歯科医が実力以上の難症例に挑む事はあってはいけません。歯科医にとって難しい治療には手を出さない事は大切です。医療というものは、「より安全に、より確実に」行なうべきものです。

インプラント治療の難しさの指標

先にも述べましたが、顎骨が少ない状態は、局所的なインプラントのリスク、つまり成功を妨げる要因となるものです。

下の図は歯科医師の向けの資料を簡略化したものですが、糖尿病や精神障害などの全身的リスクは、術者がコントロールすることはできなおものの、局所的リスクである「骨質や骨量」は、術者の知識と技術、医療設備の充実でカバーできることが分かります。

インプラント治療の難しさの指標

インプラント治療の難しさの指標

私の歯科医院にインプラント相談に来てくれた患者のほとんどに対処できています。局所的要因は手術で解決できます。

骨がないとインプラント治療ができないのか?

  誰の要因か? ということは?
骨が少ない 患者要因 GBR(骨増生)で対応できる
骨が少ないから治療できない 術者要因 局所的リスクに対応できるか否かは、歯科医の能力によって決まる

骨が無いというだけで、素晴らしいインプラント治療をあきらめないで欲しいのです。

歯科インプラト治療の難易度は歯科医師によって変わる根拠

厚生労働省のホームページにある、「歯科インプラント治療指針 日本歯科医学会編」の「14.歯科インプラト治療の難易度判定」のところには、歯科医によって難易度は変わるということが明記されています。

歯科インプラント治療の難易度は患者の全身状態、局所状態、回復(治療効果)の要求度、習癖や喫煙等によって「比較的容易」,「比較的難しい」, 「非常に難しい」に分類される。
歯科医師自身にとって「難しい」と判断された症例は、治療ができる歯科医師(歯科インプラント治療の専門医等)に紹介する。歯科インプラント治療は確実な治療が行える場合に行うべきである。

顎骨を増やす治療するにあたって、何が大切か?

などです。

「他医院で骨が足りないからインプラントはできない」といわれた方は、水戸インプラントクリニックおおとも歯科の院長大友孝信(ICOIインプラント認定医)のところに相談に来て下さい。

ICOIとは、
ICOI(International Congress of Oral Implantologists)は1972年に設立された国際的な口腔インプラント学会で、アメリカに本部置く世界最大のインプラント学術団体です。

骨や歯肉を増やす手術の種類

骨や歯肉を増やす手術の方法はいろいろありますが、あなたが「自分にはどの手術が向いているだろうか?」とは考えないで下さい。信頼できる歯科医に任せることをおすすめいたします。

骨を増やす手術

  1. 骨増生、骨移植
  2. 骨再生誘導法(GBR法:guided bone regeneration)
  3. 上顎洞底挙上術(サイナスリフト)
  4. ソケットリフト
  5. 仮骨延長術
  6. スプリットクレスト
  7. ソーセージテクニック
  8. インレーテクニック
  9. オンレーテクニック
  10. ルートメンブレンテクニック

歯肉を増やす手術

  1. 口腔前庭拡張術
  2. 遊離歯肉粘膜移植術
  3. 歯肉弁根尖側移動術
  4. 上皮下結合組織移植術
  5. インレーグラフト法
  6. ロールフラップ法

水戸インプラントクリニックおおとも歯科では、これらすべての手術に対応できますが、患者が術式を指定したり、治療順序を歯科医に指示したりするケースや無茶な要望をする患者のインプラント治療の成功率は下がることが懸念されます。「信頼できる歯科医師に任せること」をおすすめいたします。

実は怖くない手術です

手術が怖いと感じてしまった方には、静脈内鎮静法の外部ページを見て下さい。実際に手術が終わってみると痛くないのはもちろん、「怖くなかった」という感想がほとんどです。

骨不足をおおとも歯科で克服した難症例

2018年の医療広告規制で術前の状態と治療結果を示すことが出来なくなりましたので、代わりに治療手順の説明画像を用意しました。

サイナスが大きく上顎骨が少ないが、患者が即時負荷にこだわった難症例

インプラント埋入前のレントゲンを見るとインプラントを入れるための十分な骨が無いことが分かります。
サイナスリフトをすれば、即時荷重はできません。
All-on-4をするための骨もありません。難症例です。

上下の赤い線で挟まれた部分が骨です。その中にインプラントを4本埋めることになりました。
もちろん、このままでは無理ですね。しかも、患者は即時荷重といって、インプラントを入れた日に人工歯の装着をして噛める状態にして欲しいと言うのです。

CTスキャンを撮影し、コンピューター埋入シミュレーションをしてみます。
4と番号を付けたインプラントは傾斜埋入をしてもなお、サイナスリフトをしなければいけません。緑の部分に骨増生をします。

即時荷重ですから、骨とインプラントを強固に固定する必要がありますので、インプラント先端を鼻翼直下の硬い骨に食い込ませました。難易度の高い手術です。

次の問題は1の番号を付けたインプラントです。立体画像で骨に穴が開いているのが分かりますが、ここには軟組織の病巣があり、大きな骨欠損となっています。
病巣を取り除き、GBR(骨増生)をしてインプラントを入れました。しかし、1のインプラントは即時荷重する能力はありません。

予定では4本埋入でしたが、3本で即時荷重は無理ですので、5本目のインプラントを入れてここに負荷をかけることにしました。
短い特殊なインプラントを使えば埋入できそうなわずかな皮質骨をピンポイントで狙い、がっちり埋入できました。

手術直後です。2~5の4本のインプラントで即時荷重をしました。予定通りの手術なので手術中に考えながらやるわけではありません。
1の番号のインプラントはスリープです。周囲に硬い骨が出来てから人工歯に接続する予定です。

この後、最終的な歯が入って良好に使っています。優秀な技工士が作ってくれました。
補綴物は美しく、術後の仕上がりは素晴らしいのですが、広告規制で2018年よりホームページ上の掲示はできなくなりました。術前・術後の写真を見たい方は、メール登録で見ることができるように準備中です。しばらくお待ちください。

このほかも、さまざまな症例のご報告の準備を進めております。

  • 上顎前歯の骨が少なく、入れ歯をしていたが骨を増やしインプラントにした人
  • 上顎全体に骨が少ないが、インプラント治療を望んだ人

なぜ、水戸市見川の歯科医院でこのような世界標準治療が行なえる理由をいくつか挙げますが、特に1が重要だと思います。

  1. 歯科医が仕事に対して真面目で熱意がある
  2. インプラント手術室がある
  3. CTスキャンの設備と読影力がある
  4. 的確なインプラント種類の選択ができる知識と準備
  5. 骨とインプラントの結合力を高める「光機能化インプラント」の設備がある
  6. 厚生労働省の細胞培養加工施設になっている
  7. GBR(骨増生)のしっかりした技術を持っている
  8. 傾斜埋入の知識と経験、技術がある
  9. 光造形ステントを取り扱っていて知識と技術がある
  10. 訓練された歯科衛生士がいる

水戸市に通院できない方が、おすすめの歯科医院を探すときには、この10項目を目安にして頂き、多くの項目が一致する歯科医院の評判を探してみて下さい。

上顎の骨量が少ない方でも骨移植、GBR(骨増生)を行なうことで、インプラント治療を行えるということが分かりましたね。あなたも、どうかあきらめないで下さい。

骨が無いからインプラントはできないといわれた方で、それでもあなたがインプラント治療を受けたいと思っているなら、「あきらめない心」って大事です。私に会いに来て下さい。

お気軽にご相談ください!